1/2ページ目 『・・・なぁ。』 「ん?」 『結婚するか。』 「・・・。 ・・・。 ・・・はい?」 『だからー。 結婚だって、ケッコン!!』 私は指定席であるマットの脚の間に座り、雨が降り続く窓の外を眺める。 マットはタバコを吸いながら、もう片方の手で私の髪を弄る。 いつもと同じ昼下がり。 何だか眠くなってきたなぁ・・・なんて思っていたら、マットが突拍子もないことを言ってのけたので、私の思考は停止。 数秒後、 「もうっ、また冗談ばっか!」 と、笑いながら振り返れば、リップ音とともに軽く触れた唇。 そして、いつの間にか2人の左手薬指にはキラリと光るシンプルなリング。 「何これ・・・、マジック?」 あまりに突然すぎて、出た言葉。 『あははははっ。 お前、ムードねぇな!!』 爆笑するマットにつられたのか、私も何だか可笑しくなってきた。 重ねられた左手。 カチン。 小さく響いた、リングが重なり合った音。 その音に微笑み、もう一度、マットの方に振り向くと、今度は深くて長いキスをくれた。 ・・・June Bride. END →あとがき <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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