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ディーノ・スクアーロ・ザンザス 『酔』
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<拍手お礼>




『酔』 Ver.ディーノ







「でね、今日街にお買い物に行ったとき

 にね。」







『ナンパでもされたか?』







「違うよ。

 私に声かけてくる人なんていないし。」







『そうかな?

 俺なら間違いなく声かけるぜ?』







「あはっ、私もディーノになら間違いなく

 ついて行くけど?」












ベッドに入る前の数十分間。







俺は必ず彼女と他愛もない話をする。







仕事が忙しくて構ってやれないことが多いから、この時間はとても貴重だったりする。












「あれ?

 何の話だったか忘れちゃったし。

 あっ、そうだ。」







〜♪〜







彼女が話し始めた直後に、俺の携帯が鳴った。







『悪りぃ。』







断りを入れてから電話に出た。







「バルコニーに出てるから、終わったら来てね?」そう目で合図しながら、飲みかけのシャンパンとグラスを2つ持ち、彼女はソファを立った。







俺が話しにくいと思って、すっと席を立ってくれる・・・本当に気の利くいい女だと改めて実感する。












通話を終えバルコニーに出ると、月を背負った彼女が和やかに笑った。







その姿はまるで絵画のように美しく、思わず口からは『綺麗だな・・・。』と零れた。







「シャンパンの色?

 月の光でキラキラして綺麗だよね。」







『いや、シャンパンじゃなくて・・・』と言いかけた俺の言葉に、彼女の言葉が重なった。







「ディーノの髪も、瞳も・・・。

 シャンパンの色と一緒でキラキラして

 てとっても綺麗。」







俺の方が赤面してしまうくらいの甘い台詞。







照れ隠しに『うわっ、それ恥ずかしくねぇ?』何て普段とは立場逆転で茶化してみた。







「・・・。

 ヤダ、ディーノ。

 今さら私も恥ずかしくなってきちゃっ

 た。」







そう言いながら彼女は、自分の手のひらを頬にあてた。












いつもはしっかりしてて、気が利いて、大人で。







でも酔うとキュートな彼女を心から愛おしく思って、きつく抱きしめた。








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