過去拍手

メロ・マット 『酔』
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<拍手お礼>




『酔』 Ver.メロ







「終電に間に合ったから、これから帰る

 ね。」







昔なじみの友人と飲んでいたあいつから電話があったのは、30分前。







「あれ、メロ?」







電車から降りてきたあいつが俺に気づいた。







「迎えに来てくれたの?」







『・・・ついでだ。』







近くのコンビニの袋をわざとらしく見せる。












駅から俺たちの部屋までは、歩いて10分。







治安も悪くはないけれど・・・。







この時間に女の一人歩きはどうも気になる。







そんなこと、口に出して言うつもりはないが。












「まだ夜は寒いね。」







『あぁ。』







「ねぇ、メロ。

 手、繋いでもいい?」







いつもより甘い声で尋ねたこいつに『好きにしろ。』と答えた。







「ねぇ、メロ。

 ぎゅってして?」







何も言わずにそっと抱きしめてやる。







「チョコの香りがする、幸せ。」







「ねぇ、メロ。

 キスして?」







何も言わずに唇を塞いでやる。







「ふふっ、甘い。」







駅から家までの10分間。







普段は甘えることが苦手なこいつを、目一杯甘えさせてやる。







酔っていることを理由にして。







幸せそうな顔をして、俺の方を見つめたこいつ。












柄にもなく、その仕草を可愛いと思った俺も・・・こいつに酔ってる証拠か?








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