main*庭球

無理だよ...(蔵ユウ→←謙)
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俺の声で言わせてや、「お前を愛しとる。」って...









―「俺、ユウジの事好きやねん」


謙也の親友、白石蔵ノ介は、

テニス部の部長で、無駄の無い完璧なテニスをし、

私生活でもそれは一緒で、それでいて整った顔をしている。

そこらへんの女子がほっとく訳がない、行内では密かにファンクラブが出来ているほどの

本当に完璧な男だった。

そんな親友が惚れた相手は、同じ部活で声真似王子のユウジだった。

口を開けば相方の小春のことばかり、だが

強がりで、本当は繊細なところに、白石は惹かれていた。


ユウジと想いが通じて付き合うことになった!と報告しにきたときは

それは今までに見たことのない幸せに溢れる顔をしていたのを思い出す。

初めは二人が幸せならそれで良かった。

それなのに、いつからだろうか、そんな二人を見ていると胸が苦しくなっていた。


「謙也ー、相談があるんや。」

ある放課後、二人が付き合い始めて一年ほど経ったある日、

ユウジが謙也を呼び止めた。

「ん?なんやー白石のことかー?」

白石の名前にピクリと反応し、コクリと頷いた。

「白石にプレゼント渡したいねんけどな、お前親友やから何が欲しいか知ってるんちゃうかーおもてな、」

少し照れくさそうに笑うユウジに不覚にもドキッとした。

(なんでや、なんでドキドキしとんねん!)

謙也は心の中で葛藤しながらユウジの相談に乗っていた。

「お、おん。ええとなー、あいつは確か...―」


その日から、だ。

ユウジはなんでも謙也に相談するようになっていた。

最近ではほとんどの内容が愚痴になっていた。

つまらなそうな顔をしてそれでも隣でちゃんと話を聞いてくれる謙也。

そんな横顔を見つめるユウジ。

お互いにこの時間が嫌いじゃなかった。

どんなに愚痴を言っても黙って話を聞いてくれる謙也に、

次第とユウジは惹かれていった。

どないしたら笑ってくれるんやろか。笑顔にしたりたい。と思うようになっていた。

もちろん、白石のことは好きだ。でも、どうしてもこの想いは止められず、

逢う度、話す度、好きになっていくのが自分でもわかっていた。


白石はちゃんと自分を愛してくれているのに、自分は...

ユウジはどうしていいのかわからなかった。

それは謙也も一緒だった。


近付けば近付くほど遠くなる存在。

超えちゃいけない壁がある、どんなに触れたくてもそれはできない。

日に日に苦しくなる胸に気が付かずに、

引き返せなくなって初めて気が付いた。


((もう、離れるべきや、せやから、なぁ...))



雨の日、二人黙る帰り道。

なんともいえぬ空気が二人の間に流れる。

お互いに分かってる、分かっているからこそ、

なかなか言い出せずにいた。

沈黙を破ったのはユウジだった。

「なあ、お前の声できかせてくれや、幸せになんかならへんて、」

(それ聞けたら、きっと離れれるねん、)

「わかっとる!わかっとるねん!...ユウジ、これだけ言わしてくれや、俺は本気で...本気でお前んこと好きやった、!」

震えた声で謙也が言った。

ユウジは背を向けることしか出来なかった。



「っ、幸せに、な。」

それだけ言い残して謙也は走り去った。



力が抜け、ユウジはそのまま膝から崩れ落ちた。

目からはとめどなく涙が溢れ出た。

「っ、あ、ほっ!このドアホ、っ!俺かて、俺か、て...お前んこと、本気で愛しとったっちゅー話や、っ!」

今はもう伝えることのできない言葉。



無機質な雨音だけが、響いていた。























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ミクのとある曲をもとにして書いてみました;

うわああああああ!!



すみませんごめんなさい

難しい。あああああ。幸せにしてやれなくてごめんね!

ちなみに最後、ユウジがっちゅー話や!って言ってるのは

わざとです、間違えたとかではないので!!

読んで頂きありがとうございました!

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